ライディングテクニック上達法

ブレーキング攻略法【前編】

全米19カ所で開催されている
「ライド・ライク・ア・プロ」トレーニングコース!

たった3つのテクニックを身に付けるだけで
ハーレーや大型バイクを短時間で自在に操るトレーニング法。

今回は、ハーレーのブレーキ機能を前後とも
100%使えるようになるブレーキング攻略法の前編として、
実際に開催されたトレーニングの様子から、
解説シーンをご覧いただきます。

上達することで、おそらく最も恩恵を得られ、
ライダーの身体を守ってくれるのがこのブレーキング練習です!

【ブレーキング攻略法(前編)】

1「ライド・ライク・ア・プロ」のブレーキング練習

100%ブレーキングとは、
その環境・状況下で制動距離
最短にするということです。

さらに速度を変化させながら行うので、
制動距離は速度に伴い変化し、
それぞれの速度域で異なる、
最短の制動距離を見つけることができます。

具体的には、距離の異なる複数のパイロンゲート間を
フル加速&最短制動距離で目標停止する練習を
前後ブレーキそれぞれ片方ずつ
および両方を同時に使って行います。

2教習所の“急制動”と
「ライド・ライク・ア・プロ」ブレーキング練習の違い

免許取得の際に教習所で行う“急制動”は、
時速40kmの速度から前後ブレーキを作動し、
11m以内で安定して停止する練習です。

しかし実際に公道を走っていて、
急制動や障害物回避しなければならない
場面に出くわした場合、そのとき
必ずしも速度が時速40kmであるとは限らず、
また11mの制動距離が与えられる
わけではありません。
場合によっては、安定した制動よりも
とにかく停まること障害物を回避できることを
優先しなければならないこともあります。

これに比べ
「ライド・ライク・ア・プロ」トレーニングでは、
異なる速度域からのブレーキング練習をするため
制動距離も都度それぞれ変化し、
しかも前後ブレーキ別々に操作する練習を行い、
とっさの場面にも最大限のブレーキ能力を発揮でき、
かつ最短の制動距離を実現できることを目的とします。
環境・制動状況が刻々と変わり変化する
より公道実践的な練習になります。

3前後ブレーキの配分割合の正しい解釈について

100%のブレーキングとは、
最も効果的に制動距離を最短にすることを言います。
多くのライダーが勘違いしているのは、
制動距離を最短にするときの
前:後ブレーキングの入力割合を
前70(80)%:後30(20)%と思っている人が多いこと。

バイク、二輪車の制動能力は、
前(フロント)の方が高く、
例えば急制動時には圧倒的に
フロントブレーキの制動力を頼ります。

制動能力で言えば速度域にもよりますが、
フロントブレーキはリアの2~3倍以上はあるでしょう。
これが良く、前70(80)%:後30(20)%
などと表現されているわけです。

つまりこれは機械装置としての制動能力の比率であって、
これを勘違いした人たちが操作の入力加減を
この比率で行うようにと言ったものですから、
話が複雑になってくるのです。

そもそもフロントに比べて
30(20)%以下しかないリアブレーキの制動能力を、
30(20)%の入力加減で操作するわけですから、
ほとんど制動能力を生かせなくなるわけで、
多くのライダーはリアブレーキ
制動目的で使えないのはこういう理由があります。

4ブレーキ機能を前後とも100%使えるようになる方法

たとえ前後70(80)%:30(20)%の比率の制動能力でも、
それぞれその能力をフル(100%)
使えるようにするのが理想だということです。
そのためには練習において、タイヤロックや、
ABS装着車であればその作動を経験しておかなければ、
当然100%の限界点が体感的にわかりません。
タイヤロックABS作動瞬間の車体挙動を知ることで、
真の意味で安全マージンが約束されるわけです。

できれば時速30km以下の遅い速度でいいので、
制動練習で意識的にブレーキロック
ABS作動をさせてみてください。
瞬間の挙動変化を身体で覚えるのです。

問題は絶対速度ではなく、
100%のブレーキングの状況、
タイヤロックABS作動する瞬間を
ライダーがコントロールできること。
さらに意識していない時に
突然何かが飛び出し、もしくは危険が迫り、
最短制動距離で減速・停止が必要になっても、
無意識に身体が反応するまで、
一定量の練習が必要になります。

 

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記事投稿日:2020/04/26
カテゴリ : ハーレー・ライディング ライディング上達法