ライディングテクニック上達法

車体を傾けること、旋回速度を上げることの危険性

技術レベル 4 ★★★★☆

Q:以前コーナーを上手く寝かせて走るまでに
だいぶ時間がかかり悩みました。
リターンライダーとなった今も、
同じようにコーナーをうまく寝かせて速く走りたいですが、
10年のブランクで忘れてしまいました・・・。

A:コーナリングを上手く走る
=バイクをできるだけバンクさせ、速い旋回速度 で走る・・
そうお考えなら、少し違う角度で考えてみましょう。
まず、バイクを寝かせる(バンクさせる)
ことについて考えてみましょう。

バイクはどこまでもバンクさせられるわけではなく、
どこかで限界が来ます。
つまり、バンク角を深めれば深めるほど、
転倒リスクが増大するということです。

一方、旋回速度について、物理の法則では
「運動エネルギーは速度の2乗に比例する」
わけですから、高い速度でのコーナリングほど
転倒時のダメージが大きくなるわけです。

何が言いたいかと申しますと、
速く走るために深いバンクで旋回速度を上げるということは、
転倒しやすく、かつその場合のダメージが
大きいものになるということです。
速く走るためにリスクを増大する走りは、
我々が目指す「いつまでも安全で幸せなバイクライフ」
と対極にあるものです。

私たちが考える最も上手い公道ライダーとは、
「いつも何事もなく、無事に帰宅できるライダー」です。
よって、バイクを深く傾けることや、
コーナリング速度を上げることを目的にするのではなく、
逆にバイクを出来るだけ傾けずに、
かつコーナリング速度を上げずに、
コーナーを安全かつ快適に、
そして結果的に速く走れる方法を理想としています。

しかし、できるだけ車体をバンクさせること、
できるだけコーナリング速度を上げること・・、
それはライダーの本能でもあります。
だからこそ、頭でその理屈をわかるだけでなく、
一方で本能的な身体の反応を変えていく作業が
絶対に必要になってくるわけです。

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記事投稿日:2019/09/18
カテゴリ : コーナリング ライディング上達法