技術レベル 3 ★★★☆☆
Q:タイヤを端まで使っていないのですが、
他の方のバイクのタイヤを見ると
端まできれいに使用しているようです。
自分は全然バイクを倒していないのだと思いますが、
以前同じバイクに乗られている方は
まで使えていたことを聞いて自信がなくなりました。
自分ではかなりバイクを倒しているつもりですので、
これ以上倒すと転倒するような気がするのですが、
ここは思い切ってさらに倒し込んだ方がいいですか?
A:率直にお答えします。
ご指摘の通り、それ以上倒しこむと、
かなりの確率で転倒するでしょう。
少なくとも安全に公道ライディングを
楽しむことを前提にしている、
我々ツーリングライダーには決してお勧めできないことです。
なぜなら、バンク角の深さと転倒リスクは
比例関係にあるからです。
そもそも何のために
タイヤの端を使われたいのでしょうか?
タイヤの端を使うために
バイクをバンクさせるのであれば本末転倒です。
仮にそれが、コーナリング速度を高めるためであれば、
逆にいかにタイヤの端を使わずに、
コーナーを結果速く走り抜ける
(「旋回速度を高める」ではないことに注目してください。)
かに考えを改めてみてください。
そもそもタイヤの端を使うこと自体は、
それほど難しいことではありません。
リーンアウトのフォームを取ればいいからです。
しかしリーンアウトはバンク角に依存した走りであり、
かつ荷重が抜けやすい危険をはらむフォームです。
一方“正しいリーンウィズ”は、
旋回方向にしっかり体重(荷重)移動され、
セルフステアリングが機能した、
バンク角が浅いステアリング切れ角を使った走り方です。
また、コーナリングのライン取りを工夫することで、
コーナリング速度を高めなくとも、
トータルで速くコーナーを抜けることもできます。
リーンアウトはバンク角に依存した荷重が抜けやすいフォーム
常にリスクと背中合わせの公道ライディングでは、
安全マージンを最優先にしなければならないので、
サーキットの走り方とは必然的に異なってきます。
その実現こそが大人のライディングであり、
“いつまでも安全で幸せなバイクライフ”
を送る必須です。
タイヤの端を全て使いきらずとも、
タイヤを端まで使っている仲間に
遅れをとれないで安全に走れているのであれば、
それは安全マージンを確保しているということです。
自信を持っていいのです。
決して公道でのライディング技術で
劣っているわけではありません。
私達が考える最も上手いライダーとは、
「いつも何事もなく無事に家に帰ってくるライダー」
だからです。
最後に補足ですが、
以前白バイの訓練を見せてもらったことがあります。
それは激しいバイク操作と高い技術でした。
まるで神技、曲芸のようでした。
その中で私が驚き感心したのは、
彼らがそんな走りをしても、
タイヤの端を左右1cmずつ残していたのです。
つまり、神技的なライディングをしながら、
彼らはマージンを持って走っている、
白バイ隊員とて、高度なライディングをしながらも、
安全マージンを確保することを最優先にしているということです。
これは我々にとっても
参考になるポイントではないでしょうか?
タイヤの端を使うことより、使いきらないで同じような走りを目指そう!
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