技術レベル 3 ★★★☆☆
Q:『トラクション抜け』という意味がいまいち分からないので、
より分かりやすく教え て頂ければ嬉しいです。
A:タイヤ(この場合後輪)をより確実に
路面にグリップさせる方法は、2つしかありません。
1)リアブレーキをかけること。(減速させること)
2)エンジン駆動力(トラクション)を伝えること。
(加速させる、またはエンジンブ レーキをかけること)
ともに後輪の回転力によって路面に荷重を加えるわけです。
いわゆる、消しゴムを机に押し付けた状態で、
押し付けるほど、摩擦が大きくなり安定するのです。
「トラクション抜け」とは、加速または減速状態の
駆動力(トラクション)を解放させてしまうことをいい、
それまで回転しているタイヤで路面を蹴り、
グリップさせていた荷重状態を、クラッチを切ったリ、
アクセルを戻し駆動力を緩めてしまうことで開放してしまことです。
つまり、安易にアクセルを戻すとエンジントラクションが抜け、
車体が不安定になり、タイヤグリップも低下し、
時に転倒しやすい状態になります。
コーナリング中にクラッチを完全に切ると、
とてもバイクが不安定な感じがしますね。
これは前述の1)2)による荷重効果がなくなったことによります。
実際はアクセルを戻しても、
エンジンブレーキによる1)の効果により、
荷重が全くなくなることはありませんが、
特にエンジンブレーキの効きにくい高速ギアを使った場合、
クラッチを切った状態に近い荷重抜け
(トラクション抜け)が起こるというわけです。
だから、可能であれば、
低めのギアを選択した方が安全なわけです。
といっても、低めのギアはエンジン反応が強く
アクセル操作が難しいので、
操作可能な低めのギアを選択しつつ、
迷ったら一つ高いギアを選択し、
余裕を持った速度でコーナリングすればいいわけです。
ちなみに、1)2)の荷重方法にしても、
タイヤグリップの限界を超えた“急”がつく操作は、
逆効果となりますので、
デリケートな操作が要求されるのは言うまでもありません。
尚、駆動輪ではないフロントタイヤには、
前述の2)の効果はありません。
1)ブレーキによる荷重効果しかないのです。
ですから、前輪は後輪に比べ安全な荷重状態を保ちにくく、
前輪グリップに頼った前輪主導のライディングは、
後輪主導のライディングに比べリスクが大きくなります。
これが、なぜバイクのタイヤが
後輪の方が太いのかという理由の一つです。
公道コーナリングにおいては常に後輪が主役であり、
タイヤのグリップや旋回性を高めるのも、
後輪を主導に行う方が理にかなっているのです。
つまり、前輪は後輪の補助輪であり、
その動きを開放することで、セルフステアをはじめとした
二輪車本来の原理効果を引き出すことができるのです。
今一度、バイクは“後輪による一輪車”であることを意識し、
それを感じてライディングしてみてください。
きっと、ライディングがとてもシンプルに、
そして簡単になるはずです。
いつまでたっても走りに自信が持てないライダー必見!初級を脱却したいライダーへ!
「DVD」で「メールサポート」で「ライブ参加」で、 ライディング上達の“3ステップ”で上手くなる!
ツーリングで一目置かれるカッコいいライディングを実現する
教習所では決して教えてくれなかったライディングテクニック習得法!